北浦和コラム

現行制度の下、福祉NPOは何をするべきなのか、福祉NPOは何ができるのか。
また、どのような思いで現場の人々は活動しているのか。

それを考えることができた、すばらしいフォーラムでした。
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2月16日に、『介護助け合いフォーラム』に参加してきました。私は現在、福祉NPOに興味を持っており、少しずつですが勉強を始めています。
福祉NPOは、現代社会において、人々の価値観・ニーズが多様化していくなか、大きな可能性を示してきています。福祉NPOはこれからどのような方向で進んでいくのかを知りたいと思い、参加をしました。


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始まる前は30名程のこぢんまりとした中で行われると聞いていたのですが、いざ始まってみると驚いたことに、倍近くの人が来ていました。NPO活動の広がり、NPOに携わる方達の意識の高さを感じました。

フォーラムでは、田中尚樹さん(NPO法人市民福祉団体全国協議会専務理事)の講演。次に、中村清子さん(NPO法人 ケア・ハンズ代表)の司会の下、石井初枝さん(NPO法人 ユーアンドユーサポート代表)・小竹雅子さん(市民福祉情報オフィス・ハスカップ代表)・松本由美子さん(浦和区中部圏域地域包括支援センターサンビュー埼玉 主任)の三名の方達によるパネルディスカッションが行われました。



「NPOは行政の下で活動するのではなく、連携して活動をしていくべき」
まず行われたのは田中尚樹さんの講演です。

田中さんは非常に幅広い活動をなされ、また多くの本を出されています。講演では「NPOは行政の下で活動するのではなく、連携して活動をしていくべきだということ」、「NPOはNPOとして主体性を持って活動していくべきだということ」を話され、参加された方達は熱心に聴いていました。

田中さんは最後に、全国で約1000万人いると言われる介護従事者の間に、ネットワークを作りたいとおっしゃていました。1000万という力が連携し、まとまれば、どれだけの力が発揮されるのかと思います。これらの人達は、介護従事者として「困っている人の手助けをしたい」という一致した思いを持っている人達です。

1000万という膨大な数ではありますが、決して不可能なことではないのではないでしょうか。自分もその一員になり、輪を広げていく力になりたいと思いました。



「助け合い」事業における悩み、「助け合い」だからできること
次に行われたパネルディスカッションでは、パネラーの方がそれぞれの立場からお話をされました。

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石井さんは、「助け合い」事業における悩み、「助け合い」だからできることを話されました(NPO活動のことを「助け合い」と言うこともあります)。利用者の方に対し、より柔軟な対応が可能な「助け合い」事業は今では欠かせないものとなっています。
また、「助け合い」事業の義務の一つに、家族間での支援の補助があるということをおっしゃっていました。家族の間で助け合いを促すために、敢えて支援を行わないこともあるそうです。介護においては、過度の支援も利用者のためにはならないとよく言われますが、その見極めや決断など、非常に難しい仕事だと改めて感じました。

小竹さんは、介護保険制度の概要、課題、現実などを話されました。まだまだ課題の多い介護保険制度の現実の下、困っているのに主張をしないNPO団体は、「要求したいことがあればそれを主張するべき」だということを話されました。

松本さんは、活動を通してどのように感じているのか、またどのような思いで活動しているのかを話してくださいました。少子高齢社会の下、需要に応えるためにどれ程多忙な生活をされているのか、現場ではどのようなニーズがあり、利用者はいかに大変な思いをされているのかを知ることができました。

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「少子高齢化・ニーズの多様化に伴い、身近な主体から問題を解決していけるように」
補完性の原理とよく言われますが、現在は「自分でできることは自分で、家族でできることは家族で、それでもできなければ地域で、それでもできなければ自治体・国が行う」という形になっています。これからは「少子高齢化・ニーズの多様化に伴い、身近な主体から問題を解決していく」という、段階を追った支援が求められていくと思います。

その中でも地域での支援として、NPOの存在意義は非常に大きなものになっています。これからも、その数・ニーズは増えていくだろうと言われています。

しかし、NPOとは自発的でボランタリーな組織です。
そこにNPOの存在意義があるのかもしれませんが、「提供したサービスに対する十分な対価が得られず、運営が苦しくなる」、「やってあげているというほどこしの意識が出てしまう」など、それに伴う困難も数多くあるのだと思います。

最初の理念や意識を維持し続けることは非常に大変なことだと思います。

このような困難を解消するためにも、今回のようなフォーラムは非常に大切なものになるのではないでしょうか?同じ思いを持った人が集まり、やりがいや悩みをお互いに話し、共有することで、最初に志した信念を貫いて活動していくことができるように思います。

今回のような集まりが、今後さらに増えていくといいなと思いました。
北浦和e街づくり 五味貴成

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